無料で診断する

人材育成ロードマップとは?
作り方と3〜5年の設計例を解説

更新日:2026年9月23日 監修:KeySession編集部

人材育成ロードマップとは、経営戦略の実現に必要な人材像に向けて、1年目・3年目・5年目といった時間軸でどのように成長させていくかを示したものです。階層×育成手段を整理する教育体系に、「いつまでに、どこまで到達するか」という時間軸の視点を加えたものだと捉えると分かりやすいでしょう。

中長期の見通しが立たず悩む人事担当者のイメージ

研修は実施しているが、単年度の企画にとどまり中長期の見通しがない

階層が上がるタイミングで、育成が途切れてしまう

「いつまでに、どのレベルになってほしいか」を言語化できていない

経営方針が変わるたびに、育成の優先順位が場当たり的に変わる

思い当たる項目がある場合、「今年、何の研修をするか」ではなく「何年後に、どのような人材になっているべきか」という時間軸から逆算できていないことが原因かもしれません。人材育成ロードマップは、この時間軸を可視化するための考え方です。

人材育成ロードマップとは

人材育成ロードマップとは、経営戦略の実現に必要な人材像に向けて、1年目・3年目・5年目といった時間軸で、どのように成長させていくかを示したものです。単年度の研修計画とは異なり、複数年にわたる成長の道筋を一枚で見渡せる形に整理する点が特徴です。

一言で言うと、「いつまでに、どこまで到達するか」を時間軸で示した人材育成の地図です。似た言葉に「人材開発ロードマップ」がありますが、KeySessionでは実務上、ほぼ同義のものとして扱っています。

教育体系・人材育成計画との違い

「人材育成計画」「教育体系」「人材育成ロードマップ」は役割が異なります。KeySessionでは実務上、次のように整理しています。

用語の違いと主な役割:人材育成計画(方針・単年〜複数年)、教育体系(階層×育成手段)、人材育成ロードマップ(時間軸・年次)の比較
用語主な役割軸
人材育成計画人材育成全体の方針・年間計画を定める方針・単年〜複数年
教育体系階層・役割ごとに育成施策(OJT・Off-JT・自己啓発)を整理する階層×育成手段
人材育成ロードマップ中長期の時間軸で、階層をまたいだ成長プロセスを示す時間軸(年次)

教育体系が「ある時点での階層ごとの育成施策一覧」だとすれば、人材育成ロードマップはその施策を何年目に実施し、何年目にどのレベルへ到達するかという時間の流れを加えたものです。教育体系そのものの作り方は「教育体系とは?作り方・構築の手順と見直し方を解説」で解説しています。

人材育成ロードマップが必要な理由

単年度の研修計画だけでは、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 今年度の研修が、来年度以降にどうつながるか説明できない
  • 階層が変わるたびに、育成担当者や方針が入れ替わり一貫性が失われる
  • 社員自身が「この先どう成長していくのか」を見通せず、モチベーションが上がりにくい
  • 管理職・経営層候補の育成に、着手すべきタイミングを逃してしまう

人材育成ロードマップを作ることで、単年度の施策を中長期のゴールから逆算して設計できるようになり、育成の一貫性と社員の納得感を両立させやすくなります。

特に効果が大きいのは、経営層・管理職候補の育成です。次世代リーダーの育成には数年単位の準備期間が必要になることが多く、単年度の視点では「気づいたときには手遅れ」という状態に陥りやすいテーマです。ロードマップによって、着手すべきタイミングを前もって可視化できます。

ロードマップに含める要素

人材育成ロードマップには、一般的に次の要素を含めます。

要素内容
期間区分1年目・3年目・5年目など、節目となるタイミングの区切り方
到達目標(人材像)各期間の終わりに、どのような役割・能力を身につけているべきか
対応する育成施策到達目標に近づくために、各期間で実施するOJT・Off-JT・自己啓発など
評価・確認方法目標に到達できているかを確認する評価指標・タイミング

この4つの要素を、階層(新入社員・若手・中堅・管理職など)ごとに整理すると、次章で紹介する作り方の土台になります。

人材育成ロードマップの作り方【5ステップ】

人材育成ロードマップは、次の5ステップで整理すると作りやすくなります。

人材育成ロードマップの作り方5ステップ:STEP1ゴールとなる人材像を描く/STEP2現在地を把握する/STEP3期間を区切る/STEP4各期間の到達目標を設計する/STEP5育成施策と評価指標を紐づける

STEP4までは、具体的な研修メニューを決めずに「到達目標」だけを固めるのがポイントです。目標が先に決まっていないと、育成施策が場当たり的に積み上がってしまいます。到達目標の書き方に迷ったら、下記でダウンロードできるテンプレートの「目標設定のヒント」シートも参考にしてください。

無料テンプレートのダウンロード

上記の要素をそのまま入力できる形式で、人材育成ロードマップの無料テンプレートを配布しています。Excel・Googleスプレッドシートで開いて、自社の内容に書き換えるだけで使えます。

無料テンプレート・Excel形式(全4シート)

人材育成ロードマップシート

①ロードマップ(記入用)②階層別シート③目標設定のヒント(SMART)④使い方ガイドの4シート構成です。自社の内容に書き換えるだけで、1年目・3年目・5年目のロードマップを整理できます。

人材育成ロードマップの具体例

従業員200名程度のBtoB企業を想定し、新入社員から管理職候補までのロードマップを、階層×年次のマトリクスで整理した例です。実在の企業の制度ではなく、考え方を理解するための例としてご覧ください。

1年目
3年目
5年目
新入社員
基本業務を一人で完遂できる
担当業務で独り立ちしている
後輩へのOJT指導ができる
若手
担当業務の幅出しができる
後輩のOJT担当ができる
小規模チームを運営できる
中堅〜管理職候補
後輩指導の経験を積む
チームリーダーとして目標管理を担う
部下育成・評価に責任を持つ

実際に作成する際は、この例に育成方法(OJT・Off-JT・自己啓発)や評価指標の行を加えると、より実務で使えるロードマップになります。育成方法の整理には教育体系、記載項目のたたき台には人材育成計画のテンプレートもあわせてご活用ください。

人材育成ロードマップの運用・見直し方

人材育成ロードマップは、作って終わりではなく、次のようなタイミングで運用・見直しを行います。

  • 年に1回、各階層の到達状況を確認する機会を設ける
  • 経営戦略・事業計画が変わったタイミングでゴールを見直す
  • 社員本人・上司との1on1で、ロードマップ上の現在地をすり合わせる
  • 到達目標に届いていない場合は、育成施策側を見直す(目標自体は安易に下げない)

ロードマップは経営戦略と連動するものなので、戦略が変わればロードマップも変わるという前提で、固定化しすぎないことが運用のポイントです。

到達目標を書く際は、「成長する」「活躍できるようになる」のような曖昧な表現を避け、誰が見ても達成の有無を判断できる行動レベルまで具体化することが、運用時の振り返りをしやすくするコツです。目標の具体化の仕方は、無料テンプレートの「目標設定のヒント」シートも参考にしてください。

自社だけで作るのが難しい場合

人材育成ロードマップづくりは、次のような理由でつまずくケースが少なくありません。

  • 3〜5年後の経営戦略と人材像をどう結びつければよいか分からない
  • 階層ごとの到達目標を、具体的なレベル感まで言語化できない
  • 現場の管理職を巻き込みながら検討を進める時間が取れない

こうした場合は、外部の支援を活用するという選択肢もあります。KeySessionの人材育成計画 策定支援では、現状診断から求める人材像の整理、中長期のロードマップ設計までを、経営戦略から逆算する形で支援しています。

まとめ

人材育成ロードマップは、経営戦略から逆算したゴールに向けて、1年目・3年目・5年目といった時間軸で成長プロセスを示したものです。教育体系が階層×育成手段を整理する「静的な地図」だとすれば、ロードマップは時間軸を加えた「成長の道筋」だといえます。

作成する際は、先に研修メニューを決めるのではなく、ゴールとなる人材像・現在地・期間区分・到達目標の順に整理し、最後に育成施策と評価指標を紐づけることがポイントです。

ロードマップを具体的な育成施策まで落とし込みたい場合は、人材育成計画の立て方・策定支援もあわせてご覧ください。

人材育成ロードマップづくりも、
人材育成計画から一緒に整理しませんか

人材育成ロードマップだけでなく、教育体系・求める人材像・年間人材育成計画まで整理したい企業は、人材育成計画の策定支援をご覧ください。

人材育成計画の策定支援について無料で相談する

無料で相談する