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研修体系とは?
構築の手順と見直し方を解説

更新日:2026年9月23日 監修:KeySession編集部

研修体系とは、社内で実施する研修プログラムを、階層・職種・テーマなどの軸で整理し、抜け漏れや重複なく計画的に実施できるようにした仕組みです。教育体系のうち「研修(Off-JT)」の部分を、実務で使える形まで具体化したものだと捉えると分かりやすいでしょう。

中長期の見通しが立たず悩む人事担当者のイメージ

階層によって研修の有無・質にばらつきがある

似たようなテーマの研修が、複数部署で重複している

研修担当者が変わるたびに、体系がゼロから作り直されている

外部研修と内製研修の使い分けが場当たり的になっている

どの研修が誰向けなのか、全体像を把握している人がいない

思い当たる項目がある場合、原因は個々の研修の質ではなく、社内の研修プログラムを一つの体系として管理できていないことにあるかもしれません。

研修体系とは

研修体系とは、社内で実施する研修(Off-JT)プログラムを、階層・職種・テーマなどの軸で分類・整理し、一覧化したものです。「どの階層の、どんな社員に、どのテーマの研修を、いつ実施するか」を体系立てて管理する実務上の枠組みだと捉えると分かりやすいでしょう。

研修体系を一言で言うと、「研修を場当たり的に追加・実施しないための、社内研修プログラムの一覧表」です。

教育体系
研修体系
研修計画・個別研修

※研修体系は、OJTや自己啓発なども含む「教育体系」のうち、研修(Off-JT)の部分を体系化したものです。教育体系そのものについては「教育体系とは」の記事で解説しています。

研修体系は、研修を無秩序に並べたものではありません。階層・職種・テーマといった一定の軸に沿って整理されていることが、単なる「研修一覧」との違いです。

研修体系を構築する目的

研修体系を構築する目的は、研修を「実施すること」自体が目的化するのを防ぎ、教育体系・人材育成計画に沿った形で研修を運用し続けられる状態をつくることです。

01

階層・職種間の抜け漏れと重複を防ぐ

全社の研修を一覧化することで、「この階層には研修がない」「別部署でほぼ同じ研修をしている」といった状態に気づきやすくなります。

02

新しい研修担当者でも運用できる状態にする

研修体系が文書化されていれば、担当者が交代しても、全体像を一から把握し直す必要がなくなります。

03

教育体系・人材育成計画と研修施策を連動させる

研修体系だけを単独で管理していると、経営戦略や求める人材像から離れた研修が増えがちです。上位の教育体系・人材育成計画と接続しておくことが欠かせません。

04

内製研修と外部研修の役割分担を整理する

どのテーマを内製し、どのテーマを外部の研修会社に依頼するかを整理しておくことで、コストと専門性のバランスを取りやすくなります。

研修体系の主な分類軸

研修体系は、次のような軸を組み合わせて整理するのが一般的です。実務上は「階層別×テーマ別」を基本の軸にする企業が多く見られます。

分類軸整理の視点具体例
階層別役職・等級ごとに求める研修を整理する新入社員研修・中堅社員研修・管理職研修
職種別職種ごとに必要な専門研修を整理する営業研修・エンジニア研修・人事研修
テーマ別経営課題やスキルテーマごとに整理するDX研修・ハラスメント研修・リーダーシップ研修
形式別実施形式で整理する集合研修・オンライン研修・eラーニング

階層別・職種別・テーマ別の分類は、いずれか一つだけを使うのではなく、「縦軸に階層、横軸にテーマ」のように組み合わせて研修体系図に落とし込むと、全体像が把握しやすくなります(体系図の例は後述します)。

研修体系の構築の手順

研修体系は、次の手順で整理すると作りやすくなります。

研修体系の構築の手順:STEP1現在実施している研修を洗い出す/STEP2教育体系・人材育成計画から対象とテーマを確認する/STEP3分類軸を決める/STEP4階層×テーマで研修を一覧化する/STEP5抜け漏れ・重複を洗い出し過不足を調整する/STEP6年間スケジュール・研修体系図に落とし込む

ここで扱っているのは、複数の研修プログラムを体系として整理する手順です。研修1本ごとの目的・内容・進行を設計する5W1Hレベルの手順は、「社員研修プログラムの作り方」で解説しています。

無料テンプレートのダウンロード

研修体系づくりの6ステップと分類軸をそのまま使える形式で、無料テンプレートを配布しています。Excel・Googleスプレッドシートで開いて、進捗管理や見直しの自己診断に使えます。

無料テンプレート・Excel形式(全4シート)

研修体系チェックリスト

①構築チェックリスト②分類軸メモ③見直しチェックリスト④使い方ガイドの4シート構成です。構築の進捗管理と、既存の研修体系を見直すタイミングの自己診断に使えます。

研修体系図の例

研修体系図は、縦軸に階層、横軸にテーマを置いたマトリクス図で表現するのが一般的です。簡単な例を示すと、次のようになります。

共通スキル
マネジメント
専門・実務スキル
新入社員
ビジネスマナー研修
ー
業務基礎研修
若手
ロジカルシンキング研修
ー
実務スキル研修
中堅
ファシリテーション研修
OJTトレーナー研修
専門スキル研修
管理職
ハラスメント研修
マネジメント研修
業界動向研修

空欄のマス(上の例では「新入社員×マネジメント」など)は、その階層にはまだ対応する研修がないことを示しています。空欄をすべて埋める必要はありませんが、意図せず空いているのか、あえて空けているのかを説明できる状態にしておくことが重要です。より詳しい作り方や、そのまま使えるテンプレート例は「研修体系図とは」で解説しています。

研修体系を見直すタイミング

次のような変化があったときは、研修体系の見直しを検討するタイミングです。

  • 新しい役職・階層や部門が生まれた
  • 特定のテーマの研修だけ内容が古くなっている
  • 研修担当者が交代した
  • 受講後アンケートで内容の重複や物足りなさが指摘される
  • 教育体系や人材育成計画が更新された

研修体系を見直す方法

STEP 1

実施済み研修の受講状況・満足度を確認する

各研修の受講率やアンケート結果を確認し、現状を把握します。

STEP 2

階層・テーマごとの過不足を洗い出す

研修体系図を最新の組織状況に照らし合わせ、空欄や重複を確認します。

STEP 3

教育体系・人材育成計画とのズレを確認する

上位の教育体系・人材育成計画が更新されていないか確認し、整合を取ります。

STEP 4

統廃合・新設する研修を決める

不要になった研修の廃止・統合と、新たに必要な研修の追加を決めます。

STEP 5

体系図・年間計画を更新する

更新内容を研修体系図と年間スケジュールに反映し、関係者に共有します。

研修体系が機能しなくなる主な原因

一度作った研修体系が使われなくなるのには、共通した原因があります。

研修担当者の異動のたびに、属人化した体系が失われる

現場からの要望だけで、場当たり的に研修を追加してしまう

研修を実施すること自体が目的化し、重複に気づかない

教育体系・人材育成計画と接続されていない

一度作った体系図が、更新されないまま放置されている

自社だけで研修体系を構築するのが難しい場合

研修体系づくりは、次のような理由でつまずくケースが少なくありません。

  • 自社の研修を全部署分洗い出す時間が取れない
  • 教育体系・求める人材像がそもそも定まっていない
  • 階層別・テーマ別の分類軸をどう決めればよいか分からない
  • 抜け漏れているテーマに合う研修会社が分からない

こうした場合は、外部の支援を活用するという選択肢もあります。KeySessionの人材育成計画 策定支援では、教育体系・研修体系の整理から、不足しているテーマに合う研修会社の選定までを、経営戦略から逆算する形で支援しています。

まとめ

研修体系を作る目的は、実施している研修をきれいな表にまとめることではありません。階層・職種・テーマの軸で研修を整理し、抜け漏れや重複なく、担当者が変わっても運用し続けられる状態を作ることが本来の目的です。

研修体系だけを単独で見直すのではなく、上位にある教育体系・人材育成計画との整合を定期的に確認することで、研修体系は経営戦略に沿った形で機能し続けます。

研修体系の一段上にある教育体系全体から整理したい場合は「教育体系とは」を、経営戦略から人材育成全体を組み立てたい場合は人材育成計画の立て方・策定支援もあわせてご覧ください。

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