ESGファイナンス研修 ― ESGを企業価値に翻訳する

ESGを企業価値へと繋げる因果連鎖フレームワークを活用し課題を解決する。

受講対象者
  • ESG推進部門・サステナビリティ部門の担当者
  • 経営企画部門・財務部門・IR部門の担当者
  • 人的資本経営を担当する人事部門の責任者・担当者
  • ESG・サステナビリティ領域を支援するコンサルタント
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研修で解決できること・目指す姿

よくある悩み

  • ESG施策が「必要な取り組み」または「コスト」として説明され、経営課題や企業価値との関係が明確になっていない
  • ESG施策の予算を申請する際、期待効果や実施しない場合の損失を財務面から説明できない
  • サステナビリティ部門と経営企画・財務・IR部門の間に共通言語がなく、施策、経営戦略、開示内容が十分につながっていない
  • 統合報告書に非財務情報を掲載しているものの、将来キャッシュフローや事業リスクへの影響を投資家に説明できていない
  • ESG指標と財務指標の関係について、確認された事実と、今後検証すべき仮説が区別されていない

研修のゴール

  • ESG施策が企業価値に影響する経路を、次の二つに分けて整理できるようになる
  • ① 売上、費用、設備投資、運転資本などを通じて、将来キャッシュフローに影響する経路
  • ② 事業リスクや将来キャッシュフローの不確実性を通じて、資本コストに影響する経路
  • ESG施策ごとに、解決しようとする経営課題、期待効果、放置した場合の損失を整理できるようになる
  • ESG施策の財務影響について、確認された事実、合理的に想定できる仮説、現時点では測定できない事項を区別できるようになる
  • 財務影響の仮説を、経営会議における予算承認や投資判断に使える形で説明できるようになる
  • 投資家に対し、ESGへの取り組みと中長期的な企業価値の関係を、過度な断定を避けながら説明できるようになる

研修内容

実践的プログラムをご提供します。

本研修では、「ESG評価が高ければ企業価値も高くなる」と一律に考えるのではなく、個別のESG施策が、どのような経営課題を解決し、どの財務要素を通じて企業価値に影響する可能性があるのかを整理します。

企業価値への影響経路は、次の二つに分けて検討します。

  1. 将来キャッシュフローへの経路
    ESG施策が、売上の増加・維持、費用の削減・回避、設備投資、運転資本などに与える影響を整理します。
    例えば、従業員の離職防止施策であれば、採用費、教育費、欠員による生産性低下などへの影響を検討します。脱炭素投資であれば、エネルギー費用、炭素価格、取引継続、設備投資などへの影響を検討します。
  2. リスク・資本コストへの経路
    ESG施策が、重大事故、規制違反、供給停止、訴訟、信用低下などの発生可能性や損失額をどの程度変えるのかを整理します。
    こうした事業リスクや将来キャッシュフローの不確実性の変化が、投資家の要求収益率や資金調達条件に反映される場合には、資本コストを通じて企業価値に影響する可能性があります。ただし、個々のESG施策が資本コストを低下させるかどうかは、企業や施策ごとに検証が必要です。

二つの経路を整理したうえで、ESG施策から企業価値までを、次のような因果関係として可視化します。
ESG施策 → 解決する経営課題 → 中間指標 → 財務への影響 → 企業価値

研修では、自社の施策や開示資料を題材に、財務影響の仮説を構築します。その際、すでにデータで確認できる事実と、今後データを蓄積して検証すべき仮説を明確に分けます。

ESGと企業価値のつながりを財務で捉える

企業価値への二つの影響経路を明確化

ESG施策の効果を、将来キャッシュフローへの影響と、リスク・資本コストへの影響に分けて整理します。ESGと企業価値を安易に直結させず、施策ごとの具体的な財務影響を検討します。

経営課題から逆算する独自の整理方法

ESG施策そのものを出発点にするだけでなく、企業が解決すべき経営課題、対応しない場合に生じる損失、期待される効果を順番に整理します。これにより、施策の必要性を経営者や財務責任者に説明しやすくします。

事実と仮説を区別した説明

学術研究、社内データ、企業事例などで確認できる事実と、個社ごとに検証が必要な仮説を区別します。根拠のない効果を断定せず、管理指標と検証方法まで設計します。

自社の施策を題材にした実践演習

自社の人的資本、脱炭素、サプライチェーン、人権、企業統治などの施策を題材に、財務影響の仮説、管理指標、経営会議向けの説明を作成します。

施策から財務への経路を書き分け、仮説と検証に必要なエビデンスを整理する重要性に気づきます。

離職率や効果の帰属割合を変えて試算し、前提次第で投資効果の評価が変わることを実感します。

この研修が選ばれる理由

  • 企業価値への具体的影響整理

    ESG施策が企業価値に与える影響を、キャッシュフローとリスク・資本コストの二つの経路に分けて具体的に整理します。これにより、施策の財務的意義を明確化します。

  • オーダーメイド型研修設計

    受講者の経験や組織の課題に応じたカスタマイズ研修を提供します。実務に直結する内容で、ESG施策の財務影響を効果的に伝えるスキルを養います。

  • 著名講師陣による指導

    長年の実務経験と研究教育に携わった講師陣が担当します。彼らの専門的な知識と経験を活かし、ESGと企業価値の関係を深く理解する機会を提供します。

カリキュラム

具体的な学習項目と研修の流れをご紹介します。

テーマ内容
ESGと企業価値をつなぐ基本構造主な内容
・ESG→CF→WACC→企業価値という因果連鎖フレームワークの全体像
・なぜESGを「コスト」ではなく「投資」として語れるのか
・投資家がESGをどのように評価しているか
・ESG評価機関(MSCI、Sustainalytics等)のスコアリングの考え方と限界
・サステナビリティ担当者と経営者・CFOの間で生じやすい「言葉の違い」
・因果連鎖の各矢印(→)が、実際にはどのような時間軸で効いてくるか
演習:自社のESG施策を1つ選び、因果連鎖のどこに位置づけられるかを整理する演習。あわせて、その施策を経営者に1分で説明するとしたらどう話すかを言語化するワークを行う。
到達点:ESGへの取り組みを因果連鎖フレームワークの言葉で説明でき、経営者・投資家それぞれに響く伝え方の違いを意識できるようになる
将来キャッシュフローへの影響を整理する主な内容
・売上・コスト・投資という3つの構成要素へのESGの影響
・Scope3・人的資本などの非財務項目をキャッシュフローの言葉に翻訳する視点
・「放置コスト」(対応しないことで生じる将来のコスト)という考え方
・顧客の調達要件やサプライチェーン上の要求が売上に与える影響
・人材採用・離職率とコストの関係
・規制対応費やブランド毀損など、定量化しにくいコストの扱い方
演習:ESG施策がキャッシュフローのどの項目に効くかをマッピングする演習。あわせて、対応した場合/放置した場合のキャッシュフローを簡易的に比較するシミュレーションを行う。
到達点:ESG施策の財務的インパクトをキャッシュフローの言葉で説明でき、放置コストの大きさを定量的なイメージとして持てるようになる
リスク・資本コストへの影響を整理する主な内容
・投資家から見たリスクプレミアムの考え方
・ESG評価と資本コストの関係
・開示の質と資本コストの関係
・情報の非対称性がリスクプレミアムに与える影響
・ESG評価の改善が資本コストの低下につながる可能性の考え方
・ガバナンスの質と資本コストの関係
演習:自社のESG評価スコアとWACCの関係を整理するディスカッション。あわせて、開示の質を改善した場合に投資家の見方がどう変わりうるかを想定する。
到達点:ESGへの取り組みが資本コストにどう影響しうるかを説明でき、開示の質の改善が投資家評価に与える意味を語れるようになる
統合報告書・IR資料への応用とケーススタディ主な内容
・因果連鎖フレームワークを踏まえた開示ストーリーの組み立て方
・投資家に伝わる表現への書き換え方
・受講者自身のクライアント・自社の開示資料を題材にした検討
・統合報告書における「べき論」の記述と、因果連鎖に基づく記述の違い
・KPIの選び方と財務指標との紐づけ方
・投資家説明会でよく受ける質問への備え方
演習:受講者が持ち寄った統合報告書・IR資料を題材にした改善案の検討演習。あわせて、改善後の記述をもとに投資家役と経営者役で質疑応答を行う。
到達点:投資家との対話で使える表現でESG投資の経済合理性を語れ、想定質問にも根拠を持って答えられるようになる
フォローアップセッション主な内容
・全4回の研修実施後、日々の業務の中で新たに浮かんだ疑問への回答
・研修で理解が浅かった部分や、改めて確認したい論点の補足説明
到達点:研修内容を実務に適用する過程で生じた疑問を解消し、理解と実践の定着を図る

研修の監修者

成田俊介
この研修の監修者

成田俊介

博士(経営学)

1991年シュローダー証券入社。投資銀行部門でM&A業務を経験したのち、1995年より債券ファンドマネージャーとしてバークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック)、企業年金連合会、明治安田アセットマネジメント等に勤務。公的年金、企業年金、投資信託等の運用に携わる。2024年に独立。運用実績で受賞歴多数。筑波大学博士(経営学)​

受講者の声

ESGとファイナンスの関連が理解でき、実務への有用性を感じた

具体例やグループワークにより、企業価値計算のイメージが明確になった

式の背景や考え方まで丁寧に説明され、理解が深まった

投資家視点や実務経験に基づく話が参考になった

財務知識の基礎として、他部門との連携にも役立つ内容だった

導入実績

ファイナンシャル・トレーニング・カンパニーの研修実績をご紹介します。
様々な企業様にご導入いただき、成果を上げています。

大手コンサルティングファーム様

研修規模 25 研修期間 4日間


研修目的

当該ユニットでは、クライアント企業のESG関連の開示支援やアドバイザリー業務を担っていたが、担当コンサルタントの多くが非財務領域の出…

研修内容

研修では、ESGと企業価値をつなぐ因果連鎖フレームワークを軸に、可視化されたロジックツリーを用いてESG投資の経済合理性を解説した。各…

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研修費用

ご要件に合わせ柔軟にご提案いたします。

標準プログラム:10時間 事前ヒアリング(1時間)+研修全4回(各2時間)+フォローアップセッション(1時間)・25名 150万円〜180万円(税抜き)
1日2時間 25名の場合:50万円 (税抜き)
1日4時間 25名の場合:90万円 (税抜き)

研修会社紹介

ファイナンシャル・トレーニング・カンパニー

資産運用・企業財務の第一線で培った専門知識を、実践で成果を生む力へ。金融プロフェッショナルの育成を支える高度なオーダーメイド研修を提供

第一線の金融実務経験

長年のファンド運用や銀行実務で培った知見をもとに、現場の投資判断や企業価値向上に直結する実践的な金融研修を提供します。

課題に合わせた研修設計

受講者の経験や組織の課題に合わせて内容を設計し、資産運用やコーポレートファイナンスなど高度なテーマにも柔軟に対応します。

理論を実践力へ転換

金融理論を学ぶだけで終わらせず、分析・予測・意思決定・説明まで実務で再現できるスキルとして身につけることを重視します。

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